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伊之助めん 吉岡洋一さん(伊之助製麺株式会社)
2009年02月28日
伊之助製麺株式会社
第二営業課
吉岡 洋一さん
継続とチャレンジは力なり―。
職人と営業の"熱さ"が伊之助を支える。
そうめんのふるさととして、もはや全国区となった神埼。美しい清流に沿って数々の製麺工場が並ぶ中、ひときわ目立つ「伊之助めん」。さがファンオープン当初の約4年前弱から"美味しい神崎そうめん"の店として不動の地位を築いてきた。今回は約10ヶ月ぶり、そして4度目という最多の訪問。もはや"そうめん"の域を超えて日々変化を遂げ、訪れるたびに発見があるという"前に歩み続ける老舗"―。そのモチベーションを支えている原動力は何か…?菜の花が咲き乱れる小さな春のある日、シーズン前ののれんを再びくぐった。
10ヶ月ぶりの訪問です。2年前の4月に訪ねた時は、今の社長である当時、工場長の川原正広さんにお話をお伺いしました。この間変化したことは…?
A・私は、約2年前に営業として入社しました。前回のインタビュー相手である、営業課長・内山健治に誘われたのがきっかけです。以前は、別の製麺会社にいましたので、同業の内山の事はもちろん、伊之助の存在も良く知っていました。信頼感と期待感から入社して2年…大きな変化を体感しましたね。
Q・具体的にどんな変化があったんですか?
A・私はスーパーで並んでいる日常で一番身近な「ゆで麺」に思い入れがあるのですが、伊之助のゆで麺は品質がとてもいいのに、見た目がバラバラだな、って思っていました。それを入社時から社長に提言していたのですが、老舗という独自の伝統…言い換えれば当たり前のこと、と相手にされなかったんですよ。ただの並べ方、されど並べ方…。社長はご存知、元工場長で制作サイド出身ですので、麺をキレイに並べることが技術的に簡単なことはわかっていらっしゃいますが、どうしても、会社全体が伊之助という伝統にがんじがらめになっているところがあり、中々実現されませんでした。
でも、「伊之助という名前に見合う美しい麺の並べ方をして欲しい」と今年のお正月改めて、社長に進言しましたら、その次の日には麺の並べ方がピシッときれいに変わっていました。たった1日で変わったんですよ。これは「意識改革」ですよね。何もしなければ変わらないことを、私が熱く言い続けたことが叶ったと思いましたね。
Q・吉岡さんが、外から来た方だったから気付いたことなんですね。伊之助さんでは、この4年の間そうめんの域を超えて、麺類全般に及びましたよね?
A・確かに、神埼はそうめんの名産地です。しかし、我々の工場では麺作りで出来ないことはないんですよね。社長は現場の人間だったので、頭が柔らかく、チャレンジ精神が旺盛な人ですから、常に新しい麺作りを模索できるんです。
Q・去年の秋には、佐賀産小麦を使った「五穀豊穣生うどん」が発売され、メディアでも大きくとりあげられましたね。反響はいかがですか?
A・この御時世ですから、日常で食べるゆで麺などはやはり消費者にとって、安価な方がいいんですよね。でも、食への本物志向も同じくして高まっている。これも、営業の私たちが消費者の皆さんや、スーパー等のバイヤーの皆さんの意見を聞いて、市場を把握した上で企画し、商品化にこぎつけました。北九州・福岡のスーパーをはじめ、佐賀市内でも徐々に定着して来ており、贈り物として、セットに加えて、というような注文が増えています。
Q・ただでさえ、輸入小麦も不足していた時期に、国産…しかも地元・佐賀産の小麦を使った生うどんの登場というのは、かなり珍しい試みでは…?
A・業界的に、輸入小麦の不足は大打撃でした。他同業では商品を数回値上げしているところもほとんどでしたが、私たちは絶対に値段、質を曲げたくなかったんです。でも1度だけ上げた時に、そこまで影響はありませんでした。少し値段を上げても御客様がついてきてくれたんですね。生活に、伊之助麺が密着していたんです。そういう方は「五穀豊穣生うどんは高価だ」と購入していただけませんが、たまにセールで2~30円安くすると、バーッと売れるんですよ。顧客様も、「美味しいものを食べてみたい」という興味があるようですね。
Q・伊之助さんはいろいろ商品開発をされていきますよね。老舗なのに守りに入らないところがスゴいですよね。一体どこまで行くんですか?
A・どんなに美味しい麺でも、消費者は世代交代もしていきますし、また人間は飽きも来ます。中身は同じでもパッケージを変えていく食品は多いですよね。常に、お客様に飽きられないよう、いつも変化に対応できるという姿勢と新鮮さをアピールしていくつもりです。そのためには、日々アンテナを張り、同業他社の商品を視察、勉強したり…毎日、動いていますね。
Q・その麺作りの原動力っていうのはなんなんでしょうか?
A・「自分が食べたい、美味しい麺を作りたい」。それだけですね。それは職人も営業も一緒で、その原動力が熱さとなり、社長を筆頭に今の進み続ける伊之助を支えているんです。個人的には、いつか麺だけではなくオリジナルスープを作って売りたいですね。伊之助麺に合う、伊之助だけが作れるスープを。
Q・以前のインタビューでは、ネット販売が課題だとお聞きしましたが…。
A・正直、この問題はまだ続いています。まったくもって力不足ですね。ネット販売を4年もやっているのに、その位置づけができていません。営業をやりながら、ホームページの管理等をやっていると、中途半端になってしまい、ネットの場が生かしきれていませんね。この分野はどんどん伸びていきますから、これから本当にネットの重要性を考えて、「さがファン」担当の方と話し合いながらやっていきたいと思っています。今までは、放りっぱなしで担当の方にぶら下がってた状態で、その存在の大切さを知ろうともしませんでした。これからは、自ら考えて、一緒に相談しながら、力を入れていきたいと思います。
Q・また、ずっと言われていることですが、伊之助めんの麺を直接食べられるお店を作られる計画はどうなっていらっしゃいますか?
A・これも、まだ会社としての考えがまとまっていないんですよ。でも、店を出す考えはずっと消えていません。今、いろいろと調査中です。やるからには中途半端にやりたくないので、完璧に指針がまとまったら、お店を出す時が来るでしょうね。ネットもそうですが、伊之助の看板を背負う以上、何事も中途半端ではいけない…と痛感している現状です。
Q・課題をクリアしながら、どんどん前に進んでいく熱い気持ちは変わらないんですね。今後の展開予定を教えてください。
A・まず、「五穀豊穣生うどん」を他県に発信していきたいですね。佐賀産小麦の素晴らしさを知ってもらうには、まず他県から、と思いますので、佐賀産素材を使った、別の商品と組み合わせ、「佐賀産麺セット」を作ろうと思っています。日常で食べる麺から、贈り物の麺までいい麺を作るという想いをうるさいほど皆、持っていますので、絶対に妥協はせず、伊之助にしかできない商品開発を続けていきたいですね。継続は力であり、チャレンジ精神は絶対必要です!

これが好評の手書きの「かわら版」。お客様からの意見も載り、それに対して手書きでハガキを出すなど、暖かい心配りを忘れない

そうめんをはじめ、うどん、そば、ラーメンとあらゆる麺を製造している。生麺も好評だ

工場前に建つ、神埼町麺祖"伊之助"祭る石碑。感謝を込めて会社が私費を投じて建立。時々、子孫の方が拝みにいらっしゃるという

2階建ての大きな工場。ここで、1日平均そうめんで言えば、約10トンの麺が造られている


まずは、粉をこねることから始まる。工場には約10数人のスタッフの方が常勤している

工場の2階でこねた粉は1階に下り、麺用に薄く伸ばされる

麺用にカットされた生地は、また2階に上がってゆく

1階から上がってきた麺は、5段階に分けて乾燥させられる

まるで“麺のカーテン”が5部屋続く。部屋ごとに温度、湿度が違う。1時間に1度、乾燥状態の抜き打ち検査があるほど厳しい

乾ききった麺は1階に戻ってきて商品用にカットされ、一定量の束にされる

最後は袋詰め。そうめんだとここまでの作業が約10時間ほどだが、うどんなど太い麺の作業は24時間に及び、徹夜作業になるそう

袋詰めされた商品に、不備がないかチェックして終了。その先には、数々の商品名が書かれたダンボールがいっぱい。市場に出るのをまっている麺たちが居た。
投稿者 さがファン : 2009年02月28日 14:23
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