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有田焼カレー 太田浩美さん

 2008年05月30日

店主太田さん
創ギャラリーおおた
太田 浩美さん

"食と器のコラボ"を初めて実現。
有田焼400年の歴史-主役は町への愛情。

 世界的な陶都・有田町。約400年の歴史を持つこの町では、幼いころから焼き物の歴史、世界との関わりなどを学び、そこに住まう人々は町を誇りに思わない者はいないと聞く。そんな世界のARITAが今、大きなムーブメントを起こしている。ご存知、「有田焼カレー」だ。テレビ番組の放映によって、一夜にして全国に知られ、予約殺到、ネット注文もパンク状態…。「有田町をもっと活性化しよう」と1年前に始めた"駅弁"が、現在全国で爆発的ブームになっている。その状況を発案者である、「創ギャラリーおおた」の太田さんはどうとらえているのだろうか?お話をじっくり伺ってきた。


Q・「有田焼カレー」すごい人気ですね!一夜にして全てが変わりました…?
A・一夜にして別世界…まるでシンデレラみたいです(笑)。今年の陶器市の直前に、テレビ放映があったのですが、おかげさまで陶器市では1日平均1000個も売れました。マスメディアの影響ってすごいですね。でも一番嬉しかったのは多く売れたのではなく、有田の地元の方々が喜んでくださったことですね。
どんなに売れても、「有田焼カレー」を作った時の基本の想いは変わりません。


Q・もともとはギャラリー&カフェのカレーが始まりだったんですよね?
A・私は、ギャラリー&カフェをここ有田町で開いて12年になりますが、店の看板メニューが多種のスパイスを使った薬膳カレーだったんです。元々は埼玉出身の主婦で、主人の実家がある有田町に越してきて22年。有田は世界が誇る町ですから、一生懸命有田町のことを勉強しましたね。そこで、私自身がこの町で何かやれることはないか、と考えた結果がギャラリーを兼ねたカフェだったんです。器をはじめ、有田そして佐賀には美しいものやアートの宝庫なのに関わらず、美術館やギャラリーがとても少ない…。そこで近くの窯業大学の学生さんの作品を将来に向けてのステップのために、店に置いたのが始まりで、現在は会期を決めて、佐賀県内の様々な作家さんのアート作品を飾っています。


Q・そのお店の人気メニューが駅弁に…?そのプロジェクトを教えてください。
A・ちょうど1年前になりますね。あの、佐世保バーガーを全国的ヒットに導いた元JR佐世保駅駅長の西田辰美さんが、JR有田駅駅長に就任されまして。
「ここ有田駅でも何かできないか?」と、うちのカレーを食べにいらっしゃるたびにおっしゃっていたんですね。そこで、心から有田町を愛し、活性化を試みようと意気込む中心メンバー5人と、サポーター20人ほどの「有田ハートプロジェクト」を発足したんです。そこから、有田より何が発信できるか、を考え始めたんですよ。最初は駅弁なんて、考えてもいませんでした。


Q・そして出来上がったのが、有田焼の器もセットになった駅弁なんですね。
A・最初に考えるのはやっぱり""ですよね、有田ですから。今まで究極のラーメン鉢や、焼酎盃など話題になってきましたが、器のみあっても、それに盛る"飲食"がなかった。そこに目をつけたのですが、なかなか具体案が浮かばず…苦労しました。駅弁の発案者はなんとうちの息子(笑)。何となく話を聞いていた高校生の息子が、「駅弁はどうね?有田駅にはないやろう」。そのたった一言が、"器と食のコラボレーション"を一気に実現まで結びつけたんですよ。


Q・有田焼ファン、カレーファン、そして駅弁マニアまでうならせるこの発案!
A・でも、あくまでもメインは"器"です。いくらカレーが美味しくても、陶都・有田、地元の人に受け入れてもらえないと外に出て行きません。予算をギリギリまで切り詰めて、有田の梶貞製陶所で開発、製造してもらいました。もちろん、再利用可で使いやすく、商品として1500円という妥当な金額に収めることができました。カレーやお米の原料はもちろん、もパッケージもみんな有田町の人間が作ったものなんですよ。


Q・それが1年前…最初は泣かず飛ばずだったと聞きますが…。
A・駅弁マニアの方はすぐに飛びついてきてくれました。わざわざ東北からいらっしゃる方も…。実は、有田焼カレー駅弁は、今は殿堂入りしている群馬の「峠の釜めし」をヒントにしたんですよ。今は長野新幹線が通っていて、駅弁ではなくなりましたが、今な無き、長野信越線の横川駅で、駅員さんが木の箱を首からぶら下げて「駅弁いかがですか~」と売り歩いてたのが、「峠の釜めし」なんです。釜飯の美味しさもさることながら、人気はその陶器の釜。持ち帰らないお客様はいらっしゃらなかったですね。何も見どころのない町が、「釜めしの横川駅」として大ブレイク、人気が衰えることはありませんでした。もちろん、峠の釜めしのすばらしさを、九州の方が味わうのは無理に近いのですが、プロジェクトではとにかく、第2の峠の釜めしになりたい、と訴えました。
最初はPR不足で赤字続き、駅でもレンジを用意したりと工夫したのですが、1個も売れない日も…。正直、失敗かな、と落ち込んだこともありました。


Q・それがジワジワと口コミで評判を呼び…そして大ブレイク!と。
A・昨年の陶器市でだいぶ認知度が上がりまして、そこから口コミで広がっていき、地元の新聞、タウン誌で取り上げられるようになり、そこから派生して全国誌に載るようになっていったんです。また、テレビなどの取材も受けるようになり、先日の番組で全国駅弁No.1に選ばれたというわけです。


Q・成功の要因は何だったと思われますか?
A・駅弁が全国的に認知された、という点での成功という意味では、決してあきらめなかったこと、そしてなんといっても"有田愛"ですね。有田町は商売の町ですから、いわば皆同職。いってしまえばライバルになることも。きれいごとだけじゃ済まされないことも知っています。赤字で不安になった時もたくさんありました。でも、有田という大きな枠での視点から見れば、有田町は1つです。有田に住んで、有田を愛する人たちが1つになって取り組んだこのプロジェクトの成功は、奇跡的でもあり、必然的な愛の結晶だと思うんです。


Q・すばらしいですね!さて、これからの課題にどう取り組むか…ですね。
A・はい。今度、古川佐賀県知事がわざわざお見えになるということで、この現象に浮かれずに厳かに受け止めています。有田の良さをアピールしたい、という想いから始まったプロジェクトは、佐賀県全体のアピールにも繋がるわけですので…。単なるブームだけでは終わらせたくありません。利益を上げることが、町の活性化の成功ではないと思っています。でも、利益が上がらないことには駅弁は継続していきません。うちのギャラリー&カフェもリピーターのお客様がほとんど。売れればいいというものではなく、本当に美味しいもの、いいものを長く提供し続けていくこと、それが課題であり、成功だと思います。


Q・太田さんの信念と愛情、そして行動力に心から感心いたしました。ぜひ全国の「さがファン」をご覧のみなさんにメッセ-ジをお願いします。
A・"佐賀"からの発信である、「有田焼カレー」を受け入れていただいて、本当に感謝、嬉しく思っています。佐賀県・有田町代表として、そして"陶都・有田の焼き物"と共により多くの方に、美味しく素晴らしい"食と器のコラボレーション"を届けていきたいと思っています。


外観
モダンな構えのギャラリー&カフェ「創ギャラリーおおた」。町のみなさんの集いの場所になっている

店内
アートの香り漂う、広々とした落ち着いた店内。ゆっくり、有田焼の器でコーヒーやカレーを楽しめる

自家製パン
12年前のオープン当初からある自家製パン。夕方には売り切れてしまう人気さ

うつわ
お客様に出すコーヒーやカレー等はみな有田焼。食と器のコラボレーションがここでは思う存分味わえる

ギャラリー
会期ごとに作品が変わるギャラリー。絵もあれば、陶器もあり、写真もあり…。
佐賀県内在住の作家の素晴らしい作品を鑑賞できる

商品
店内中央、JR有田駅駅長西田さんのコメント付きの「有田焼カレー」「有田鶏弁当」のパッケ-ジが目をひく

カレー器
これが実際駅弁で使われているカレーの器。中の模様は随時変えていく予定だ。
器ファンも納得の逸品

チーズケーキ
名物「幸せのチーズケーキ」も近々、「有田鶏弁当」と共に「さがファン」でネット販売予定。ふんわりとした食感の後に来るしっとり感…まさに"幸せ"と一瞬感じるケーキ


>> 創おおたギャラリーの商品はこちらからご購入いただけます。

投稿者 さがファン : 10:23 | コメント (0) | トラックバック