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伊之助めん 内山健治さん(伊之助製麺株式会社)

 2008年04月28日

伊之助製麺株式会社 第二営業課 課長 内山 健治さん
伊之助製麺株式会社 第二営業課
第二営業課
課長 内山 健治さん

本当に良い物を広める手法を原点回帰、
"伝え手"がいるから、"受け手"がいる。

 いつ訪れても、美しい緑とさわやかな清流が出迎えてくれる神埼。そうめんのふるさととして全国的に知られる神埼の町だが、いよいよシーズンが始まった。川沿いに並ぶ数々の製麺工場も活気を帯びてきた初夏のある日、「伊之助めん」さんの工場におじゃました。「さがファン」では初となる3回目の訪問。前回は2年前の同時期。この2年で、変わらないものである"そうめん"を通じて、どう変わるものがあったのか…麺を作る側ではなく、麺の良さを外にPRする側の視点からのお話をじっくり伺ってきた。

 
Q・この2年間で大きく変化したこと、発展したことはありますか?
A・まず、そうめんも含む乾麺業界がずいぶん変化しましたね。市場的に乾麺の売上が下がって、その代わり生麺の売上がアップしています。その理由はさまざまですが、やはり大きなものに「食べ物のスピード化」。世間ではスローフードだ、ロハスだ…と流行していますが、実際の生活ではファストフード化は避けられるどころか、進行しています。特に若い20~30代の世代はわざわざ鍋でお湯をゆでて、そうめんを食べるなんて面倒なことはしないでしょう。スーパーに行かれればおわかりだと思います。乾麺のコーナーがどんどん狭くなり、代わりにカップ麺のコーナーが拡充しているのが変化の事実ですね。


Q・しかし、生麺の売上はアップしているんですよね?
A・コンビニが明らかな例ですが、夏になると既にゆで上がった状態の冷やし麺やそうめんそばなどが良く売れますよね。あれは添付のつゆをかけるだけ。
乾麺はゆで方によって味が左右されますし、本当に好きな方ならこだわりをお持ちです。しかし、一般市場的にはそうめんの味がわかる方は少なく、楽な方向に流れてゆく…。現在では、「デイリー商品コーナー」での生麺のウエイトが高くなりましたね。毎日食べるであろう、豆腐、納豆、味噌などと同等の扱いになりますから。代わりに乾麺コーナーは、調味料など認知度の低い場所に並べられているので、特別感があるのも手伝って売上が生麺と違って伸びない。
トータルで考えたら、生麺アップ、乾麺ダウンでトントンなんですけどね。


Q・この2年で対外アピールを強化するためにコンサルティング会社を入れたとお聞きしましたが…。
A・どんなに美味しい麺を作っても、それを上手に外に伝えていかなければ、消費者には届きません。麺自体のグレードの高さにあぐらをかいていても、伝わるのは本当に麺がお好きな方々だけですよね。もっと広く一般の消費者に美味しさを伝えるのはどうしたらいいか…そのPRのしかけや手法を一緒に考えさせていただいたところ、一方的ではダメだということに気付いたんです。伝える人間がいるから、受けてくれる人間がいる。原点回帰ですよね。
それでまず、年に4回全国発送するDMに手書きの「かわら版」を入れました。そこには、私自らが取材した四季折々の神埼の情報だったり、工場の作り手の生の声だったり…。そうしたら、お客様からハガキやメールで返事が返ってくるようになったんですね。てっとり早く売りたければ、大きなマスメディアの力を利用すればいいのですが、それでは顧客はつかず、単なる一時的なブームで終わってしまう。そのような一方通行型のPRはやめて、お客様とのキャッチボールを、時間をかけてもいい…コツコツとやっていくことに、伊之助の麺の美味しさを伝える可能性があると確信しました。
伊之助は歴史のある会社です。時間をかけてゆっくりお客様一人ひとりと真摯に向き合うことで、揺ぎない顧客様を作る…DMを変えただけで売上は2割アップしました。


Q・一度信頼を得たら、顧客様は逃げないということですね。その他にも佐賀、福岡でのスーパーでの試食販売なども積極的に行っていらっしゃいますね。
A・試食販売はお客様と直接、お顔を見てキャッチボールができる恰好の場ですからどんどん行っていくつもりです。中央、東京での「佐賀フェア-」などにも顔を出し、全国のさまざまな買い付け業者(バイヤー)さんと、現場の雑談の中でより良いPR手法を学んでいっています。地元の各スーパーの麺置き場、売上情報チェックも欠かせませんし、とにかくやる事がいっぱいで体がひとつじゃ足りませんよ(笑)。でもおかげさまで、中央から仕入れの注文がきたり、同業者に認めていただいたり…伊之助の位置性は確立しつつあります。


Q・新商品の開発の方も着々と進んでいらっしゃいますか?
A・新商品はとにかく研究を重ねて重ねて、最短でも市場に出回るのは半年、平均で8~9ヶ月はかかるんですよ。麺の研究と同時進行で商品の顔となるパッケージデザインにも4~5ヶ月はかけます。とにかく時間をかけますが、それが伊之助の自信と自慢ですね。まず歴史があること-商品は若干高いですが、美味しいから自信を持って薦められる。味に自信があるから、一度食べた方が次も買ってくれると確信持って次も薦められる。こう言うと、強気の商売をしていると思われるかもしれませんが、それだけ時間をかけて作り、その良さを一番良いPR方法でお客様に伝えていっている、というだけなんです。


Q・以前、工場長のインタビューで神埼の工場内に、商品を食べられるお店をいつかは作りたい…という話をいただきましたが…。
A・もちろん、その夢の実現への道は続いていますよ!もし作るなら、ただ商品を食べられる店、だけではなく、地元・神埼の観光アンテナショップのようになるでしょうね。お店を作るというのは、相当な宣伝効果が期待できるわけですから、結構大きめな規模のものになると思いますよ。そうですね…、ぜひ期待していてください。もしかして、年内には実現するかも…!?


Q・伊之助さんの未来が光って見えますね!今後の展開予定などあれば教えてください。
A・まずはホームページ、ネット販売の強化ですね。やはりこういう情報社会ですから、それに上手く乗ってDMとは別の方向性で、充実をはからなければ、利用しなければ、と思っています。そして、一般の方々に伝えたいことは、「機械で作ったそうめんは美味しい!」ということ。いわゆるブランドそうめん…
"手延べそうめん"が一番美味しくて、高級品と一般的に認知されていますが、それはあくまでもイメージですよね。そのイメージをひっくり返したいな、とは思っています。伊之助はご存知、独自の機械製法で自慢の麺を作り続けています。そうめんは食べ時を選ぶことができる(寝かせる等)、深くて美味しい食べ物です。手延べであろうが、機械であろうが、美味しいものは美味しい。手延べというブランドにお金を払うよりも、同じ美味しさでリーズナブルにいただいた方がきっと、もっとそうめんを身近で楽しい食べ方ができるはずです。
ぜひ、一度うちのそうめんをお試しください。試食販売などの告知のコーナーもサイトで作っていくつもりですので、この美味しさを確かめてください!


かわら版
これが好評の手書きの「かわら版」。お客様からの意見も載り、それに対して手書きでハガキを出すなど、暖かい心配りを忘れない


商品:そうめん・そば・うどん・らーめん
そうめんをはじめ、うどん、そば、ラーメンとあらゆる麺を製造している。生麺も好評だ


伊之助石碑
工場前に建つ、神埼町麺祖"伊之助"祭る石碑。感謝を込めて会社が私費を投じて建立。時々、子孫の方が拝みにいらっしゃるという


外観
2階建ての大きな工場。ここで、1日平均そうめんで言えば、約10トンの麺が造られている



まずは、粉をこねることから始まる。工場には約10数人のスタッフの方が常勤している


工場の2階でこねた粉は1階に下り、麺用に薄く伸ばされる



麺用にカットされた生地は、また2階に上がってゆく



1階から上がってきた麺は、5段階に分けて乾燥させられる



まるで“麺のカーテン”が5部屋続く。部屋ごとに温度、湿度が違う。1時間に1度、乾燥状態の抜き打ち検査があるほど厳しい



乾ききった麺は1階に戻ってきて商品用にカットされ、一定量の束にされる



最後は袋詰め。そうめんだとここまでの作業が約10時間ほどだが、うどんなど太い麺の作業は24時間に及び、徹夜作業になるそう



袋詰めされた商品に、不備がないかチェックして終了。その先には、数々の商品名が書かれたダンボールがいっぱい。市場に出るのをまっている麺たちが居た。

>> 伊之助めんの商品はこちらからご購入いただけます。

投稿者 さがファン : 2008年04月28日 19:38

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