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ワインと地酒の専門店 森本 芳典さん(株式会社 森本商店 常務)
2008年03月27日
ワインと地酒の専門店
株式会社 森本商店 常務 森本 芳典さん
"良いお酒は選べる、うまい酒は選べない"。 そのアドバイスをするのが酒屋の仕事。
酒どころ-九州。中でも佐賀は恵まれた大地の素材…米による日本酒、麦による焼酎…と多くの銘酒があることで知られている。幕末時には名君、佐賀藩10代藩主・鍋島直茂による財政改革により、酒蔵が多い時で300近くもあったといわれている。現在では焼酎ブームに押され気味だが、ほとんどが輸入の麦に頼る中、佐賀産二条大麦を使った焼酎など、本物の銘酒を求めて全国のお酒ファンの目は九州に注がれている、と言っても過言ではないだろう。
そんな酒どころ・佐賀で昭和6年創業、老舗の域に入る「森本商店」さんは"良い酒"をずっとお客さんに提案してきた。今年始め「さがファン」に出店、老舗にて新顔の森本商店さん。のれんをくぐり、素顔を覗かせてもらった。
Q・お店には約3000種のお酒が並ぶ「森本商店」さんですが、昭和6年創業当時はどんな感じだったんですか?
A・私は3代目にあたるんですが、先々代が知人の酒屋を引き継いだのが始まりです。当時、「酒屋」では日本酒を90%、あとは焼酎を売っていました。ビールなどもあったのですが、ビールを置いている店は「酒屋」とは異なり、「乾物屋」さんで売っていましたね。うちの店では、樽にてとっくりに入れたり、お客さんが持ち込んだ瓶に入れたり…と、お酒を量り売りしていました。戦前、瓶は高価なもので、売り方はほとんど量り売りだったんですよ。その中でも、うちはお客さんによりおいしいお酒を楽しんでいただきたい、と普通の酒屋よりも3~5倍は高価なお酒を出したりもしていました。
Q・さがファンでは売っていませんが、「森本商店」さんはワインでも有名ですよね。ワインを入れた時期、入れようと思ったのは何故ですか?
A・昭和40年代ごろですね。「酒屋」は蔵元との直営店が多いので、どうしても仕入れが限られてきます。我々は小売業なので、直営店に対抗するためには、何か変化をもたらしたかった、というのはありました。ちょうど、サントリーの「赤玉ポートワイン」が流行した時期でしたが、元々赤玉ポートワインは滋養強壮のための薬飲料で、それを甘く味付けしたものなんですね。そのころ、佐賀でもステーキ専門店など洋食屋さんが出来始め、「洋食に合うお酒を提供してもらいたい」という要望を受けて、ワインの仕入れを始めたんです。赤玉の甘いワインに慣れている方たちは、本物の輸入ワインの酸味に「腐っている」と声をあげ、当時の売上はいまいちでしたが、洋食ブームに乗り、段々と佐賀のみなさんにもなじまれていきました。そして、全国的にワインブームがきて、うちも1979年にワインセラーを作ったんです。
※ 森本さんは(社)日本ソムリエ協会 認定のワインアドバイザー
Q・これだけ多くの酒類を取り扱うには、蔵元、酒造メーカーさんとのやりとりが大変だと思いますが、どのように仕入れていらっしゃるのですか?
A・創業からしばらくたった当初は、佐賀ではなく、福岡・大川の酒造メーカーとやりとりを多くしていましたね。大川も酒どころですから、大川の方は福岡・久留米に行くよりも佐賀の方が近いので、今でもよくやりとりさせていただいています。もちろん、唐津もありますし、全国にも及びます。ただ、量が多いので、九州を中心とした特殊な問屋さんを通して、仕入れを行っています。
Q・全国の地酒も取り扱っていらっしゃいますが、そのネットワークはどこで見つけるんですか?そして、仕入れるお酒を決める規準は…?
A・全国規模でよく行われる、酒の会などに出席し、必ず試飲をしますね。そこで気に入ったら、出席されている蔵元さん、酒造メーカーさんと名刺交換をして、後で電話やメールなどで取引を開始します。仕入れたいお酒は必ず自分の舌で確認、試飲しますよ。
Q・「森本商店」さんにはセラーが5つもあるんですよね!
A・お酒には"遊び"が必要なんですよ。いわゆる"飲み時"ですね。でも人それぞれ、"飲み時"は違うんです。お酒を仕入れる時、試飲してこれは長期に耐えられるかどうかで判断し、セラーで"飲み時"を管理します。時間がたてばお酒の味も変わっていきます。どれぐらい時間をかけたら、どんな味になるか…そんな"遊び"の想像を、お客さんに楽しんでいただきたいですね。うちの売り場は蛍光灯ではなく、白熱灯なんですよ。蛍光灯だとワインやお酒の色が変わってしまうんです。色もお酒の大事な楽しみのひとつ。セラーではずっと白熱灯で管理しています。10年は色が変わりませんよ。
Q・「森本商店」さんおすすめの、おいしいお酒ってありますか?
A・それは、答えられないですね(笑)。お酒って、好き好きじゃないですか。確かに人気の商品もあります。人気の商品は万人に受ける"良いお酒"。それを選ぶのは簡単です。でも"うまい酒"は選べません。その人のシチュエーションによって、全然"うまい酒"は変わってくるからです。それは、食べ合わせだったり、酒の肴の種類だったり、飲む時のシチュエーションだったり…。そのお客様の要望をお聞きして、アドバイスするのが我々酒屋の仕事なんです。
Q・では"良い酒"とは一般的にどのようなものなのでしょうか?
A・簡単に言うと"地酒"でしょうね。地酒っていうのは、地元の食べ物に合うからできたものであって、佐賀の日本酒はほぼ甘口ですよね。それは味つけの濃い、甘い料理に合うから。鹿児島に焼酎が多いのは、揚げ物など脂っこい料理が多いから、それを焼酎で流すため、とも言われています。そんな理由を持つ地酒が全国にいっぱいあります。地酒人気はそこにあるんでしょうね。
Q・今後の「さがファン」での展開予定を教えていただけますか?
A・今、特徴のあるお酒をわずか60種類ほどしか展開していませんが、100種類ぐらいまで増やしたいですね。なるべく地のものをご提供したいと思っています。もちろん、いつかはワインをネット販売したいという思いもありますが、ワインは全国的なものですので、現在、ちょっと供給の安定が難しいんですよ。ですので、どういうルートで仕入れて売ることができるかを模索中です。
Q・全国の九州・佐賀酒ファンにメッセージをお願いします。
A・やっぱり、実際お客様とお話して、お酒を買っていただくのが一番の願いですね。ネットだけですと、表面だけですから。ですので、メールでのやりとりも行っています。佐賀近辺の方は、ぜひ一度お店に遊びに来てください。いろいろアドバイスいたします。その後、ネットで利用していただければ…と思います。ネットでも"顔の見える酒屋"を目指しています!

店内には、約3000種のお酒がズラリ。「さがファン」で人気の商品は、鹿児島地焼酎「赤兎馬」、佐賀地酒「東一」、佐賀地焼酎「菱娘」などだそう。

お酒は、日本酒、ワイン、洋酒…とコーナーが分かれていて、見やすくディスプレイされている。

店内には、まるでバーのようなプライベートルームが!一般の方は入ることができないが、ここでまったりと新酒やオールドヴィンテージもののお酒をお店のスタッフで利き酒するそうです。

店内に5つあるセラー。中に入るとひんやり。常に"良い酒"の"飲み時"を考えられて、お酒たちが寝かせられている。

「森本商店」さんがワインを仕入れた時期、1979年に作った記念のワインセラー。歴史の温かみを感じさせられる。
>> ワインと地酒の専門店の商品はこちらからご購入いただけます。
投稿者 さがファン : 2008年03月27日 14:53
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