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宗政酒造株式会社 観光事業部 常務取締役 和田 真司さん
2007年12月22日

宗政酒造株式会社
観光事業部
常務取締役
和田 真司さん
"佐賀あっての有田"としてアピールする時期。
他町を巻き込んで、有田―そして佐賀を活性化すべき。
多くの観光資源に溢れている佐賀県。その中で代表的なものを挙げるとすれば、一に「有田焼」といっても否めないだろう。その歴史は約400年―。
伝統と歴史が息づく町、有田に居を構えるのは、佐賀の原料だけを使ったこだわりの焼酎が定評のある「のんのこ」を作り続けている「宗政酒造」さんだ。
空前の焼酎ブームの中、焼酎を楽しむだけに作られた有田焼の器が大ヒットしている等、お酒と器は切っても離せない関係になってきた昨今。そのど真ん中で世の変貌ぶりを見てきた、宗政酒造さんが位置する「のんのこの郷~有田ポーセリンパーク」に約2年ぶりに訪れ、過去、現在、そして未来に向けての展望を伺ってきた。
Q・前回のインタビューから丸2年がたちましたが、大きな変貌はありましたか?
A・おかげさまで、代表作「のんのこ・黒」が福岡国税局で開催された「酒類鑑評会本格焼酎の部」にて5年連続で優等賞を受賞いたしました。佐賀の焼酎ブランドとして、認知度も徐々に上がってきていますね。これからもコツコツと信頼を積み上げていきたいです。
Q・「のんのこ」は佐賀産二条大麦のみを使ったこだわりの逸品ですよね。「原産地呼称制度」にも登録され、他とは一線を画していると思います。
A・この2年で大きく変貌したのが、その"麦"についてなんですよ。以前のインタビューでは、二条大麦の生産は佐賀が日本一であることをこれからアピールしたい、認知度を高めたいと言っていましたが、アピールどころか今、焼酎メーカーが奪い合いの状態なんです!ほとんどの麦焼酎は約90%がオーストラリアなどからの輸入によるものなのですが、この2年の世の流れにて、油価格の沸騰と一緒で麦も不作。海外の麦価格も沸騰し、必然と目は国内に向けられることになったんです。ずっと輸入に頼っていた業者は世の流れで国内産麦に初めて目を向けざるを得なくなった状態で、「えっ、佐賀って二条大麦の生産日本一だったの?」と(笑)。私共にとっては当たり前で、コツコツと地元産にこだわって麦焼酎づくりを続けてきましたが、他メーカーは今原料確保に必死のようですよ。
Q・それはビックリですね!自ら変えようとしなくても、世が必然的に変えてしまった…?
A・かといって、二条大麦の生産地は限られているんです。だから"原料の安定供給"という面で奪い合いになってしまうんですね。ありがたいことに、以前から二条大麦にこだわって、地産地消を推進してきた私共はその奪い合いの輪の中に入ってはいません。さらに、農協さんの協力もあり、新しい品種、原料を作ろうという話も上がっていますので、原料の安定供給の元、安心してお酒を作り続けることもできますし、地域への貢献も目指せる環境が整っています。これもずっと地元にこだわり続けた信頼の証と思っています。
Q・それは、一人勝ち状態ですね!しかも、空前の焼酎ブームで地元・有田焼の"究極の焼酎器"なども大ヒットしています。宗政さんは地域貢献には力強い存在ですね。
A・いえいえ、一人勝ちではいけないんですよ。観光という大きな視点で見ると有田という土地はすたれていく一方なんです。もう有田焼だけでは人は呼べない状態になっているんです。ここ、有田ポーセリンパークも観光客は減少気味にあり、現在立て直しをはかっている状況です。九州に来る観光客は、現在南に流れる傾向にあります。宮崎しかり、アピールの仕方が上手ですからね。ですので有田に人を呼ぶには、やはり近隣の町との協力体制が必要です。有田焼の有田、といっても、そこが佐賀県だという認識は薄い。佐賀は観光資源がたくさんある県です。でも、町だけで完結しているきらいがありますよね。ですので、その町が一緒になって力を合わせ、コラボレーションすれば、有田への観光客も、他町への観光客も増えるのではないかと考えています。いくら歴史と伝統があっても"有田あっての佐賀"はもう通じない時代です。"佐賀あっての有田"にしていかないと。
Q・ここ「有田ポーセリンパーク」では具体的にどのようなことをされているんですか?
A・陶磁器作り、絵付け体験、手びねりやろくろ回しなど、体験型施設が売りですね。
修学旅行生も多く来ます。また、工場でのできたてホヤホヤの焼酎、お酒の試飲は大人の方に好評ですね。有田焼のアウトレットショップも人気です。まだまだ改善の余地がたくさんあるんですが、昨年から有田焼を中心としたイベントや展示会を開催するようになりました。月単位で作家展など、有田町でしかできないことを行っています。
昨秋の有田陶器市に合わせて近隣町の武雄では、佐賀出身の戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の作品展が好評を得ていました。そういった観光コラボレーションをどんどんしていきたいですね。
Q・お酒と焼き物は切っても離せない関係になってきましたね。やはり、地酒、地焼酎は有田焼でいただくのが一番美味しいんですか?
A・磁器の器が地酒、地焼酎には一番合って、一番美味しいと思います。しかし、有田焼は先に器が作られたので、食のために、お酒のために、作られたものではないんですよ。よく"食あるところに器あり"と言いますが、実は有田にはそれがない!焼酎大国・鹿児島では、磁器ではなく土ものの器で焼酎をいただきますよね。鹿児島は最初に焼酎があったから、その焼酎の味に合わせて器ができたんです。順序が逆というわけです。有田近辺にも美味しい食はたくさんあります。伊万里牛やありた鶏…今後は窯元の作家さんと相談して、食に合う器作りができていけたら、と願っています。
Q・2007年度を表現する漢字一文字は"偽"。その通り、佐賀産和牛を但馬牛として売ったり…食のブランド問題が話題になりました。有田焼も偽有田焼が出回っている、厳しい現状を聞きます。
「有田」というブランドについて、どう思われますか?
A・非常に難しい質問ですね。もう有田焼は有田町だけに限定されなくなってきています。どこまでが有田焼と呼んでいいのか、窯元組合等とか、原料はどこのものか?
などつきつめていくと、有田焼そのものがなくなってしまう可能性があります。焼き物は伝統工芸ですが、同時にビジネスでもあります。そこをどう考え、この400年の歴史と伝統と技術を継承していくのか、現在の、そして今後の作り手さんにかかっていると思いますよ。
Q・今後の商品展開はどのような予定がありますか?
A・商品開発販売は随時行っているんですが、今年のバレンタインデーにはお酒入りのチョコレートケーキの販売を予定しています。陶器と一緒にセット販売などして、ここにしか売ってないものを作りたいですね。
個人的には、日本酒分野を拡大していきたいです!
Q・これからは一番寒い季節ですが、美味しい焼酎の飲み方を教えていただけませんか?
A・一般的にはお湯割りですが、オススメは最初、15℃ほどの水で割って、それを1日置いてなじませるんです。そしてお燗につけて飲んだら美味しいですよ~。
Q・では最後に、今後の展開と希望を教えてください。
A・今までも申し上げました通り、外へのアピール、ですね。焼酎だけ、有田焼だけ、
~だけ、ではなく佐賀のいいところを結集して、一緒に外へ有田を含めた佐賀のいいところを広げていきたい。その力を佐賀は持っているんです。そしてアピールしたいと思っているんです。でも持っている、思っているだけじゃ何も事は動かない。ここ2年でがばいばあちゃんや佐賀北高の優勝で、佐賀も全国で知名度が大きく上がりました。
そのノリに個々で乗っかるのではなく、皆で乗っかっていきたいですね。そして、"佐賀あっての有田"として全国の皆さんに認知され、足を運んでいただきたいと強く願っています。

瓶詰めされる前に、混入物が入っていないか1本1本チェックする。

最終検閲が終わったお酒の便は、ラベル貼り、蓋閉めされていく。

流れ作業で箱に詰められていくお酒の瓶たち。工場は1日約8時間の稼動だ。

市場に出るのを待つ商品の箱たち。常時一ヶ月分ぐらいストックがある。

焼酎工場内には16基のタンクがズラリ。一升瓶にして約60万本が随時造られている過程にある。大きな発酵タンクの中でフツフツと呼吸するもろみ。

原料の二条大麦の袋がいっぱい。一袋400kg。一升瓶にすると、約380本ほどの原料。

焼酎の蒸留機。あたり一面、焼酎の豊かな香りが広がる。「のんのこ・黒」は蒸留後は一切水を加えない手法をとっている。

外に面した貯蔵庫。

日本酒(清酒)工場は、焼酎に比べ規模が小さい。これはもろみを温度調節しているところ。この作業を10日、商品完成に約40日。

隣接するテーマパーク「有田ポーセリンパーク~のんのこの郷」。ゴージャスなツヴィンガー宮殿内では、古伊万里や柿右衛門、鍋島藩窯様式など、400年の歴史に及ぶ有田焼の歴史ある作品を鑑賞することができる。(入場大人500円)

宮殿奥には美しいバロック庭園が。晴れた日には散策の後、記念撮影と気どってみたい。

ポーセリンパーク内には、おみやげやさんがいっぱい。中でも「宗政酒造」の試飲コーナーは大人気だ。ほかに手作り陶器体験施設や、有田焼アウトレットショップ、有田地ビールが飲めるレストランなど見どころいっぱい。

有田焼が安く手に入るのもうれしい。さがファンでも好評の、有田焼に詰めた焼酎も販売。
>> 有田観光酒造のんのこの郷の商品はこちらからご購入いただけます。
投稿者 さがファン : 2007年12月22日 14:37
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