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高級六田蒲鉾: 石井健太さん(六田竹輪蒲鉾企業組合)
2006年05月31日

六田竹輪蒲鉾企業組合
専務理事 石井 健太さん
健康食品・かまぼこに愛情を注いで約120年。
変わらない信頼の味をずっと伝えていきたい。
佐賀県三養基郡みやき町の六田地区には六田川という小さな川が流れている。やがて川は筑後川に合流し、大海・有明海へ注がれる。
六田蒲鉾は創業明治20年。江戸時代、六田地区は宿場町として栄え、代官所を構える町であった。当時は、水上交通が盛んで、有明海から新鮮な魚がどんどん運び込まれた時代。六田蒲鉾さんを訪ねると、工場の裏手にすぐ六田川が流れていた。魚を運び込み、練り物として加工、近場の宿場町に届けていた時代から約120年。変わらない味を追求し続ける姿勢が、現在も変わらずそこにあった。今回は5代目にお話を伺った。
Q・約120年、変わらぬ味を保ってこられた理由は何だと思われますか?
A・「お客様があったから」の一言ですね。昔からのファンの方が、変わらない味を求めて全国から注文をしてくださいます。地元のお客様は直接モニターになって、意見を言いに来てくださるんですよ。そのニーズに応えるよう、長年受け継がれてきた“商品に合わせたものづくり”に日々励んでいます。
Q・“商品に合わせたものづくり”-かまぼこ作りで一番大変なのは…?
A・確かな原料と、かまぼこへの愛情の注ぎ方ですね! 商品を自分に合わせるのはなく、時間を商品に合わせる…お客様を商品に合わせるのではなく、お客様の目線に合わせて商品をつくる―。かまぼこ作りは一方通行の思いじゃダメなんです。時間はかかりますが、かまぼこがもう少し常温でゆっくりしていたいなあ…と感じたら、時間はかかるけどそうしてあげる。そうやって作り手、かまぼこ、お客様…への愛情の注ぎ方の調整をとって初めておいしい商品ができるんですよ(笑)!
Q・愛情の注ぎ方…とは人生の教訓みたいですね(笑)。原料へのこだわりについては?
A・同じ味を保ち続けるということは、大変難しいことです。何に関しても継続が一番難しいことですから!味を変えようと思ったら簡単に変えられますからね。同じ原料を使い、同じ製法をしても味は変わってしまうんですよ。それは日々の天候、温度、湿度などが影響してきます。また、原料は生の魚ですから、シーズンによって、選ぶものも大きく変わります。地元産から外国産までさまざまです。
Q・では朝起きた時、すぐ天候を気にされるんですか?
A・そうですね。これは長年の勘で、すり身をすりあげた手の感覚などで、今日はこの原料を使ってこの塩梅で作ろう…と見極めますね。うちは従業員が8人いますが、職人によって感覚や考えは違います。でも最後は同じ考えにまとまります。それは小さな個人企業ならではの強みですね。味にばらつきが出ず、信頼のある変わらない味につながるんです。
Q・原料へのこだわりのひとつに、“全品保存料無添加”とありますが…。
A・食品は腐るのが当たり前です。近年ではスーパーに並ぶ練り物は長く持つと思われがちで、こだわりのあるかまぼこ屋さんも減ってきたのが残念です。原料は生の魚ですから、私たちは昔と変わらず新鮮なものをお客様に食べていただきたいという思いで、保存料無添加にこだわっています。
Q・現在でも機械作業より手作りの方が多いそうですね!
A・保存料無添加というのもありますが、作り置きをせず、“1日で作ったものは1日で売る”と決めています。すると機械よりも手作り、になってしまうんですよ~(笑)。だから時間はかかりますけど、お客様へ対する責任や、信頼を保つことはできていると思っています。この姿勢は今後も続けていきます。
Q・実に頼もしいですね! 今後の展開を教えていただけますか?
A・かまぼこ業界のパイオニアになりたいですね! 練り物は昔からある伝統的な“健康食品”なんですよ。豆腐やこんにゃくと一緒。しかし、かまぼこ業界では後継者不足や、買い手の認識不足など、低迷の一途をたどっています。でも現在では、練り物が健康に良いということは研究され続け、発表されているんですよ。健康食品としてのかまぼこを、佐賀の地域ブランドとして今後、全国に発展させていきたいですね。
Q・最後にさがファンへひとことお願いします!
A・オススメはやはり手作りもの。作り手の顔が見える、佐賀産の玉ねぎやアスパラを使った「ちぎり天」や「なんこつ天」は人気です。モノがあふれかえっている世の中、本物の味を追求し、日々、かまぼこへの愛情の注ぎ方を思案して従業員8人で頑張っています。ぜひ、一度食べてみてください!!

材料は石うすで念入りに“本ずり”される

温度調節のため、氷と温度計を片手にすり身の状況を見て加水する



かまぼこになる前のすり身が望んでいる状況を見極めるのは長年の勘。それに、愛情の注ぎ具合と思いやり-。約120年の看板を守る基本であり、秘訣だ


かまぼこ&天ぷらは生で食べるのが一番おいしいそう。しょう油、ワサビにゆずごしょうもオススメだ


4代目社長・石井武俊さんは「健康食品としての練り物を、子どもたちにも広めていきたいですね。それが私たちの使命とも思っています」と語る
投稿者 さがファン : 17:35 | コメント (0) | トラックバック
伊之助めん:川原 正広さん(伊之助製麺株式会社)
2006年05月01日

伊之助製麺株式会社
取締役工場長
川原 正広さん
シンプルだからこそ、おいしく、美しいと
言われる麺を作り続けていきます!
深い緑の山々に、きよらかに流れる美しい清流…。先日、市となったばかりの神埼市は“そうめんのふるさと”としても有名で、自然にあふれた町だ。江戸時代初期、約370年ほど前に“伊之助”という人物が神埼の町にそうめん作りの製法を広め、現在、神埼町役場裏の櫛田宮境内には「神埼そうめん発祥地」の石碑が建つ。今回は歴史をさかのぼること約200年前-江戸後期時代から製麺を行い、伝統の味を保ち続けている「伊之助めん」さんの門をたたいた。
Q・神埼町の麺祖ともいわれる“伊之助”の名前を名乗られたのはなぜでしょうか?
A・私どもは文久元年(1800年)に「川原製麺」という屋号でスタートしました。農家から麦を仕入れ、製粉し、山の手の水車で麦をひいて粉にして手延べ麺を作り…それは小さな麺屋だったんですよ。「伊之助」の名前を会社名にしたのは約70年前です。神埼町にそうめん作りを広めた伊之助さんに、あらためて感謝と敬意を込め、お名前を借りさせていただきました。町には子孫の方もいらっしゃいますので、工場前には伊之助さんを祭る石碑も建てさせていただき、毎日、麺祖の名に恥じない麺づくりにいそしんでいます。
Q・とても大きな工場ですが、1日どれくらいの麺を製造しているんですか?
A・大型機械化したのは大体戦後ぐらいで、麺の製造量が増えると同時に、全国へ卸すようになりました。それで、「神埼そうめん」の名前が一躍有名になったんですよ。現在では1日約10トン、袋にして約4万袋、箱詰めして約1200ケースを製造、出荷しています。乾麺は関東地方ぐらいまで卸し、生麺は日持ちの関係もあり、九州圏内のみ卸しています。
Q・麺はシンプルな食べ物ですが、製法は難しいのでしょうか?
A・麺の原料は“粉・水・塩”といたってシンプル。粉をこねるミキシングの時間、塩を溶かす濃度はそうめんだと5%、うどんだと4%と微妙に違うんです。そうめんの製造は約半日ですが、うどんだと丸1日かかるんです。シンプルがゆえに細かいところに気を配らなくてはならないですね。一番大事なのは“乾燥”。すべての麺は“乾燥”で7割は味が決まるんですよ。
Q・「伊之助製麺」さん独自の“5段階乾燥”ですね!
A・そうです。まず粉をこねるミキシングの後、うすく伸ばし麺体にして1時間熟成させます。その後、5つの乾燥室に入っていくわけですが、急激に乾かすと外側だけ乾き内側がしめってヒビ割れを起こすんですね。コシのある、じっくり時間をかけて、内側から水分を抜いていくんです。まず1、2段階の乾燥室では熟成乾燥をして、3、4、5の乾燥室で徹底的に外からも乾燥させます。すると見た目にも美しい麺ができあがるんですよ。
Q・これからはおいしい冷やしそうめんの季節がやってきますね。
A・ここぞかきいれ時です!(笑)そうめんは4月からがお盆時期までがシーズン。オススメは1年間寝かした、いわゆる“蔵出し”の「極細和紙巻きそうめん」に、冬に作った「極寒そうめん」ですね。寒い時期に作る麺は良く締まってコシが出るんです。また、そうめんは寝かせるのが一番いいんですよ。
Q・寝かせる…ってなんだかワインみたいですが…?
A・2年間ぐらい寝かせるのがベストです。そうするとより堅くなり、コシが出やすく、のどごしが良くなるんですよ。だからそうめんは賞味期限も長いんです。うどんは逆で新しい方がいいですね。堅くなるとうどんはまずくなる。“堅い=のどごしが良い”と思えば、納得していただけるでしょう?
Q・なるほど~。今後の展開や目標があったら教えていただけますか?
A・神埼町はそうめんの製造が盛んではありますが、実際に食べられるお店が少ないんですよ。将来はこの工場の横に店を作って、お客様にその場で伊之助めんのおいしさを味わってもらいたいですね。
Q・その日が早く実現してほしいですね!最後にさがファンへメッセージをお願いします。
A・これからも真心込めて、おいしい麺を作り続けていきますので、ぜひ一度ご注文されてみてください!また、佐賀県内を主にスーパーなどで試食販売も多くやっておりますので、そちらも機会があったらぜひお試しくださいね。

そうめんをはじめ、うどん、そば、ラーメンとあらゆる麺を製造している。生麺も好評だ

工場前に建つ、神埼町麺祖“伊之助”を祭る石碑。感謝を込めて会社が私費を投じて建立。時々、子孫の方が拝みにいらっしゃるという

2階建ての大きな工場。ここで、1日平均そうめんで言えば、約10トンの麺が造られている


まずは、粉をこねることから始まる。工場には約10数人のスタッフの方が常勤している

工場の2階でこねた粉は1階に下り、麺用に薄く伸ばされる

麺用にカットされた生地は、また2階に上がってゆく

1階から上がってきた麺は、5段階に分けて乾燥させられる

まるで“麺のカーテン”が5部屋続く。部屋ごとに温度、湿度が違う。1時間に1度、乾燥状態の抜き打ち検査があるほど厳しい

乾ききった麺は1階に戻ってきて商品用にカットされ、一定量の束にされる

最後は袋詰め。そうめんだとここまでの作業が約10時間ほどだが、うどんなど太い麺の作業は24時間に及び、徹夜作業になるそう

袋詰めされた商品に、不備がないかチェックして終了。その先には、数々の商品名が書かれたダンボールがいっぱい。市場に出るのをまっている麺たちが居た。
