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諸富とうふ:吉田 和義さん((株)諸富食品)
2006年03月31日

(株)諸富食品
代表取締役
吉田 和義さん
“心”は手作り。佐賀ならではの「笹雪とうふ」の素晴らしさをぜひ知ってほしい。
佐賀は豆腐ブランドが確立されていることでも全国的に有名な土地柄だ。嬉野の温泉湯豆腐、有田の呉豆腐…。ヘルシーで滋味深い味わい、深い歴史を持つ日本の伝統食・豆腐。また全国有数の農業県である佐賀は、豆腐の原料“畑の肉=大豆”についてもしかり。生産量は北海道に次ぎ全国第2位で、近年では豆腐の原料となる大豆はほぼ輸入産によるところ、佐賀の各豆腐産地では国産大豆を使った豆腐づくりにこだわっている。
今回の訪問は、佐賀エリアを中心に10数種類の豆腐を製造販売している「諸富食品」さん。さがファンではごま豆腐、笹雪とうふなど独特な食感が好評だ。“シンプルだからこそデリケート”という豆腐の世界をのぞいてみよう。
Q・創業53年、昔ながらの味と食感を大切にしているとのことですが、“諸富とうふ”さんの歴史を教えてください。
A・昭和28年に諸富町の諸富津で「吉田とうふ屋」としてスタートしました。当時はすべてが手作業で、昭和43年に山領に工場を開設。製造の一部が機械化したのは昭和52年です。現在の巨勢町に新工場と本店を移したのは平成4年のことですね。現在では機械作業が主ですが、昔ながらの手作業や勘も大切にしています。
Q・創業当時と現在ではどんな変化がありましたか?
A・豆腐は日本の家庭の食卓には欠かせない食べ物ですよね。創業当時は、いわゆる“豆腐やさん”が町に一軒はあったものです。昭和30年代では、豆腐やさんが全国には5万軒はあったといわれています。私どもが所属する佐賀県豆腐商工組合の登録が、昭和30年代は500件ありましたが、現在では50件と激減しました。
Q・現代の健康ブームで、豆腐業界は安泰と思っていましたが…。
A・今ではスーパーで豆腐も手軽にたくさん買えるようになりましたが、意外と豆腐づくりは手間がかかるんですよ。じっくり手間をかけると、今度はコストがかかってくるので、昔ながらの手作業と機械化との兼ね合いが大事になってきますね。
Q・豆腐づくりで一番気を使うのはどんなところですか?
A・豆腐はシンプルですが、デリケートな食物。菌が繁殖しないように温度管理にはとても気を使いますね。おいしいものを作るのはもちろんですが、それ以前に“安心・安全”であるということが大切です。
Q・人気の「ごま豆腐」や「笹雪とうふ」は、普通の豆腐より品質管理が大変ですか?
A・プルンとした食感はでんぷんによるものです。でんぷんが劣化…私どもでは老化、と呼んでいるのですが…。老化すると固くなり、あの独特な食感が保てなくなるんですよ。温度が-5度から+5度の間が老化が進みやすく、出荷しても5日以内に食べていただかないと固くなってしまうので、日持ちがしないというのが一番難点ですね。
Q・諸富さんで人気の「ごま豆腐」の魅力を教えてください。
A・うちのごま豆腐は既成の練りゴマを使わず、手間をかけてゴマを炒るのが特徴です。そうするとより、風味が豊かになるんですよ。それに2種類のでんぷんや砂糖、塩を混ぜて、加熱しながらじっくりと一時間半ほど練りこんで作り上げます。このツヤのある茶色は焙煎ゴマを練って出した色です。関西などのごま豆腐は白っぽいものが主流ですが、佐賀は茶色。私どもでは佐賀のごま豆腐にこだわっています。そのままでもおいしいですが、酢みそや酢じょうゆを付けていただくのもおすすめですよ。おやつにもピッタリなので、きなこもぜひ試してみてください。
Q・「笹雪とうふ」は独特ですね。どんな特徴があるのですか?
A・こちらはゴマのかわりに豆乳を入れるだけなのですが、製法は有田の呉豆腐とほぼ同じです。「笹雪とうふ」は佐賀の東部で精進料理として親しまれてきました。県外の方にはなじみが薄いと思いますが、一度食べたら忘れられない味わいですよ。そのまま食べてもおいしいし、酢みそ、酢じょうゆも合います。お酒のおつまみにも、冷やしてデザートにもおすすめです。
Q・こんなにおいしい豆腐を県外の人がなかなか食べられないのが残念です。
A・ネーミングも素晴らしい「笹雪とうふ」をどんどんアピールしていきたいですね。やはり、そのためには日持ちの問題をクリアしないと…と日々思案中です。レトルトパックにする製法の研究も予定中なので、今後はたくさんの方に食べていただけるようになればいいなと思っています。
Q・さがファンで全国の方にぜひ、もっと知っていただけたらいいですね。
A・「笹雪どうふ」や「ごま豆腐」は出荷して1日たったころが一番食べごろ。もし、時間がたちそうでしたら、そのまま冷凍し、食べる時にパックごとボイルしてください。そうすると風味は損なわれません。原料には九州産の大豆にこだわり、地元に親しまれてきた、“佐賀の豆腐”を全国に発信していくのが目標です。手間ひまとこだわり、手作りの心を大切にしていますので、ぜひ、一度味わってみてください!

右が炒る前のゴマ。30分ほどかけて焙煎したものが左。香ばしさが広がる

焙煎したゴマを練ると濃い茶色に。これが独特のごま豆腐の色をつくり出す

プルンともちもちした食感は「笹雪とうふ」だけの魅力。常温でも冷やしてもおいしい

工場では1日約一万丁が製造され、出荷されている。売上は冷奴が楽しめる夏と、鍋物がおいしい冬が一番多いそう

一丁でおなかいっぱい!甘くてデザートにも合うごま豆腐&笹雪とうふ。100キロカロリー以下でヘルシー
