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サン海苔:古賀知浩さん(株式会社サン海苔 業務課 管理係)
2005年09月29日

株式会社 サン海苔
業務課 管理係
主任 古賀知浩さん
10月になると有明海で観られる、季節限定の風景がある。それはのり漁業。海中に無数に建てられた竹のさお(「のりヒビ」という)にピンと張られた網…。全国の46%ののり生産量を誇る九州。そのうち43%が佐賀有明漁連によるものだ。母なる海、“のりのゆりかご”有明海で育ったのりは品質、生産高でも全国トップ。今回は日々、生産者と力を合わせ、日本一おいしいのりづくりを目指す「サンのり」さんの工場を訪ねた。
口の中でとろけるやわらかさ… それが最高級の「佐賀のり」。
太古から日本人の食卓で親しまれているのり。有明海の佐賀県沿岸がのり畑になって、かれこれ50年。今ではすっかり有明海=のりというイメージが定着した。有明海独自の環境を利用した「佐賀のり」は『うまい佐賀のりづくり運動』でも知られるように、品質と生産高で日本一を誇る。佐賀有明の14漁連が出資しつくられた(株)サンのりは、地元ではいわずと知れた大手のり会社。最高級クラスののりで美味しい新米をいただく…まさに日本人の食の醍醐味!!業務課 管理係主任 古賀知浩さんに佐賀のりの魅力を聞いた。
Q・ズバリ、有明海ののりと他ののりとの違いは何ですか?
A・もちろん美味しさですが、その見分け方は“色”。美味しいのりは黒褐色でツヤツヤとした光沢があり、香りがあるもの。でも極上品になると、赤みのある飴色がかった漆色なんですよ。
Q・のりにもピンからキリまであるんですね。
A・品質の高いのりは口に含むとすぐ溶けるんですよ!うちの商品の「紫香燦燦(しこうさんさん)」は賞ももらった極上の品です。ぜひ一度食べてみてくださいよ。
Q・まるで佐賀牛みたいですねえ(笑)!新米のおいしさとケンカをしないでしょうか…。
A・できれば、のり単独でいただいてほしいですね(笑)。白ごはんの美味しさを引き立てる、メジャーな「膳 焼のり」「膳 味のり」などの食卓シリーズがおすすめです。
Q・そもそもお米とのりはなぜ相性が良いのでしょう?
A・のりはビタミン群やカルシウム、ミネラル、鉄分、たんぱく質などの栄養分がとても豊富です。その中のビタミンB1はごはんをエネルギーに変えてくれるんですよ。おにぎりや海苔巻きが昔からあるのは、そういった理由を昔の人たちも知っていたんでしょうね。
Q・そもそも、なぜ有明海ののり、しかも佐賀の有明ののりが美味しいのでしょうか?
A・有明海の湾の奥行は約100kmとながく、佐賀の漁場は一番奥にあって、入口が狭いんです。多くの川から栄養分をたくさん含んだ水が運ばれてきて、真水と海水バランスが悪く、潮は穏やか。しかし、天山などの山々が風を有明海に注いでくれ、潮を起こしてくれるんです。それがのりづくりにもっとも適した塩分濃度に調合してくれるんです。まさに自然の相互作用ですよね。また、最大6mという干満の差が太陽に当たる時間の長さに影響して、よく伸びるんですよ。
Q・ひとつの網にのりがビッシリ張られるのは何日ぐらいかかるんでしょうか?
A・約1ヶ月ぐらいですね。まず、10月頭に種付け(カキの殻にのりの胞子をつける)を行い、のりヒビと呼ばれる竹ざおを海中に立て、網を張ります。この作業を3月まで続けながら随時入札が行なわれていきます。その後は、工場で加工し出荷となります。
Q・「さがファン」では「膳 塩のり」のプレゼントのご提供ありがとうございました。
A・この2~3年、韓国のりのブームもあり、人気が出てきました。のりに油をつけて、塩をまぶすんですが、おつまみなどにはピッタリですね。特に九州では塩っけの多いものを好まれがちですので、さがファンでどんどん広まればいいな、と思ってます!
当たり前で、素朴な存在と思っていたのりに、こんなに深い世界があるなんて…。今回も勉強になりました!

有明海、秋冬の名物詩にもなっているのり漁業。今から来年の3月あたりまで観られる

栄養たっぷりののり。ごはんと一緒に食べればエネルギーアップ!って知ってました?

佐賀市郊外にど~んと現れるサンのり工場。残念ながら工場見学はできなかった

入札後、火入れ、焼き、味付け、たれの仕込み、何度にもわたる検査が行われ加工終了

倉庫の中はまるで冬!低温6度の中、ズラリと並ぶのりたち


“健康”“誠意”“信用”の三本柱で、日本一おいしいのりづくりを目指す―サンのりのシンボルで信念だ
投稿者 さがファン : 20:46 | コメント (0) | トラックバック
丸ぼうろ:古河 義継さん(株式会社 北島 工場長)
2005年09月01日

株式会社 北島
工場長 古河 義継
“歴史もあれば未来もある”― 老舗ならではのお菓子づくりのこだわり
北島の創業は元禄9年(1696年)にさかのぼる。当時は数珠屋であり、次第に取扱い商品を増やしていき、1700年代江戸中期には諸式屋(今でいうと総合商社)として、鍋島藩の御用商人に取り立てられた。幕末期には時勢の変化に合わせて、菓子業に専念。本店の真横を通る長崎街道から、異国の情報や砂糖などの物資かどんどん運ばれ、そこでマルボーロと北島は運命的な出会いをするのである。食うや食わずだった戦時中も、マルボーロは生き続けた。そして今日にいたる理由はなんだったのだろう。それは、北島が歴史をかさに、決して守りの態勢に入ることなく、未来に向けて、常に攻めの態勢であることにこだわっているからだった。
Q・変わらない美味しさを保ちつづける、丸芳露づくりの秘訣は何ですか?
A・こだわり抜いた原料と手作業という2つです。丸芳露の原料は小麦粉・卵・砂糖のみとシンプルですが、小麦粉は佐賀の山・海両方からとれるものを数種類ブレンドしています。それも、気候や湿度によって配分が全然変わってくるんですよ。だから、製造工程はすべて手作業。毎日の午前と午後に作ったものでも、味が微妙に違うんです。
Q・手作業の中で、一番気を使う工程はどこでしょうか?
A・生地を揉む時ですね。その瞬間の温度や湿度の状態で、空気をどれだけ抜くか、小麦粉をどれだけ足したり、引いたりするか。ここで丸芳露の味が半分決まります。そして、最低2時間生地を休ませた後、型抜きをしてから釜に入れるんです。
Q・これは熟達した職人さんではないと出来ない技ですね。
A・もう長年の勘ですね。私は34年やっておりますが、それでも「この丸芳露は素晴らしい!」というものに出会えるのは1年にたった1~2回なんです。職人は10年たって、やっとお菓子づくりの入口に入れるんです。丸芳露のような単純で、素朴なお菓子だからこそ難しい。毎日が発見で勝負ですよ。
Q・丸芳露独特の“外はカリカリ、中はふんわり”はどうやって出来上がるんですか?
A・動く鉄板に型抜きした生地を乗せて行き、5分かけて釜のトンネルに進ませます。そして釜に入ったら、クッキーを焼く時よりも数10℃ほど高い、230~250℃で5分の短時間で一気に焼き上げます。そして釜から出てきたものを袋詰めする作業が5分。このたった15分がすべてなんです。このタイミング次第で味もまた微妙に変化してしまうんです。
Q・丸芳露のベストな食べごろっていうのはあるんですか?
A・賞味期限は14日間ですが、焼いて1日たったものと、1週間たったものでも味は変わります。やはり、焼き菓子にも鮮度があって、それは生菓子と一緒で1~2日でいただくのがベストですね。お買い上げいただいて、冷凍庫にすぐに入れるのもオススメです。鮮度を逃さずにいただけますから。自然解凍でもレンジでもOKです。もともと、丸芳露はポルトガルの保存食でしたので、冷凍したカチカチのものを食べるのも美味しいんですよ。
Q・老舗ののれんを掲げ続け、人々に北島さんが愛される理由は何だと思われますか?
A・常に進んでいこう、攻めていこうという態勢にあると思います。老舗というと、守りの態勢に入りがちですが、「北島」には家訓というものがないんですよ。完成形もなく、未完成かつ自由なんです。ただ、先代が作った丸芳露のレシピが基本であり、それを軸に膨らませるという自由という意味です。そして目的もひとつ。食べられた方に「美味しい」という幸せを味わっていただくこと。その2つが理由だと思っています。
Q・今後、北島さんはどう進んでいかれるのか、楽しみですね。
A・佐賀の小学校で実演をしたり、子供たちを工場見学に呼んだりという活動もしています。また、定番以外にも、月ごとに新しい和菓子と洋菓子を出しています。9月はお月見のおだんごとおまんじゅうを予定していますよ。
お菓子は嗜好品ですので、食べなくても構わないものですが、戦後も横の長崎街道の道端で手作り釜を出し、丸芳露を量り売りしていたんですよ。お菓子は私たち作り手にとっては、クリエイティブな喜びを与えてくれるもの。それを受けてくださったお客様が幸せだと感じてくださる時を継続させていくのが今後の北島の使命と考えています。100年、200年先の未来も美味しさが続くように。

マルボーロの生まれた地、ヨーロッパをイメージした、ブルー&イエローが北島カラー。
白山町本店には工場が隣接されている

開放的で高級感あふれる店内。取材をしている間も、平日だというのにお客さんの足が絶えることはなかった

丁寧な接客が印象に残るスタッフの皆さんの素顔は気さく。「店頭でもお待ちしております!」

店内では一連の製造工程を描いた映像をモニターで観ることができる

カップにミルクを注ぎ、レンジで温めるだけでできる「マルボーロプティング」は北島独自の提案。プティング用のカップ&ソーサー(有田の深川製磁のもの!)も販売

色鮮やかで美しい和菓子は、1個100円以内から販売している。他の焼き菓子もバラ売りで売ってくれるのもうれしい

本店の前、白山名店街の入口は江戸時代初期に創始された佐賀独特の染色品・鍋島更紗の発祥の地の碑が建っている

本店の真横を通る白山商店街は、かつての長崎街道~シュガーロード。ここを通って異国の情報や砂糖を含む物資が運ばれていき、全国に広がっていった。商店街を抜けると歴史民俗館のある街道に出、そしてずっと小倉まで続く
