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人と人のココロを結ぶ、大切な"お菓子"。
丸ぼうろの気持ち。
2008年02月27日
日々の暮らしに欠かせない"お菓子"。気分転換に、友達と一緒にお茶と共に、お客さん訪問の際に、そしてお祝い事やお悔やみ事で人が集まる時に…。 そもそもお菓子は、古くは果実や草の実のことを言ったもの。奈良時代に砂糖が日本に入り、江戸時代、南蛮貿易でお菓子文化が確立され、現在、和菓子、洋菓子…多様なお菓子があふれるようになりました。甘いものを食べるとリラックスしますよね。それはお菓子に含まれている糖分の効能によるもの。スイーツを食べて、みんな笑顔!お菓子は人と人のココロをつなぐ大切なエネルギー源なんです。今回はそんな"お菓子の気持ち"をご紹介します。
「通常の食事以外に食べる嗜好品」がなぜ、こんなにいっぱい?
日本のお菓子の歴史は、何と紀元前までさかのぼります。当時は大陸文化の輸入前で、果物など甘いものを加工して通常の食事以外に楽しんでいました。奈良・平安時代になると、遣隋使、遣唐使の影響で大陸から唐菓子の製法が伝わります。奈良時代末期には砂糖が輸入されるようになりました。
しかし当時、砂糖はぜいたく品。砂糖を使ったお菓子や唐菓子は平安時代の貴族などの間でしか楽しめませんでした。そもそも、お菓子とは国語辞典をひくと「通常の食事以外に食べる嗜好品」とあります。極端に言えば、日常になくてもいいもの。それでも、古来から楽しまれてきた理由に、やはり独特の"甘み"があるようです。
お菓子に含まれる砂糖=ブドウ糖は唯一、脳のエネルギーになり得るもの。
脳はほかのどの臓器よりも大量のエネルギーを必要とする部位です。糖分を摂取することで、脳の活性化につながるのです。また、甘みはストレス解消、疲労解消にももってこい!甘みを感じた脳が分泌するエンドルフィンと言うホルモンの一種が病気に対する抵抗力をアップ、気持ちを落ち着かせ、ゆったりとした気分にさせる働きをもっているそう。疲れた時は、イライラした時は、角砂糖1個食べるといい、ともいいますよね。そう、甘~いお菓子は私たちのココロとカラダに大きな影響を与えてくれる、大切な存在なのです。
お菓子大国・佐賀VSお菓子の入口・長崎
わが佐賀県はいわずとしれた「お菓子大国」。その理由はもうおわかりですよね?そう、江戸時代に長崎・出島から福岡・小倉まで通っていた「長崎街道」のど真ん中にあったからです。長崎街道は歴史上の人々ももちろん、さまざまな情報、物資が海の向こうからやって来ました。砂糖、小麦粉、卵…。当時としては貴重なこれら物資を使って、佐賀では独自の南蛮菓子文化が華開いていきました。同じ街道沿いで元炭鉱の町、福岡の筑豊地区でもお菓子会社が多いのも同じ理由のようですね。丸ぼうろをはじめとして、逸口香、小城羊羹、けえらん、松露饅頭…と佐賀には逸品お菓子がズラリ。その中でも一番地元に根付いていて、愛されているのが丸ぼうろでしょう。丸ぼうろは佐賀を代表する銘菓ですが、九州他県でももちろん売っています。九州各県のお菓子で特徴的なのは、砂糖、小麦粉、卵を使ったもの。同時代に、京都や江戸では茶道と共に菓子文化が発達し、現在の"和菓子"の原型を作ったといわれます。
九州のお菓子とは違う方向へ進んでいくんですね。
では、同じ原材料を使っていて、「佐賀では丸ぼうろ」「長崎ではカステラ」の位置付けができたのでしょう?今回の店主訪問記、「北島」の古河さんによると、"カステラは丸ぼうろと比べて製法がいささか複雑で、そして、釜で一回焼く分量も丸ぼうろより多量に必要である、ということ。ゆえに、出島から近い長崎で製作した方が早く、栄えたのではないか?
"とのこと。もちろん、佐賀にもカステラはありますが、やはり「カステラ=長崎」のイメージは否めません。でも「丸ぼうろ=佐賀」の図式も崩れないのも確かです。
佐賀人、みんなが愛する「丸ぼうろの気持ち」

元々、ポルトガルの船員たちの保存食であったという丸ぼうろ。その名前の由来は定かではありませんが、「ボーロ」とはポルトガル語で「お菓子」という意味で、形が丸いことから「マルボーロ」と呼ばれてきたのでは?といわれています。また、あのマルコ・ポーロが由来という説も…。
佐賀では、日常のおやつとしてはもちろん、他県の人から見て驚くことに丸ぼうろは冠婚葬祭の際に必ず、といっていい程登場します。お国がらの習慣はどの地域にもあることですが、佐賀では丸ぼうろ。結婚式では、飴方(あめがた)と呼ばれる、いわゆる丸い飴ではなく形を変形させた角張った長めの飴を一緒にお客さんに出します。いわゆる細工菓子で、この飴方は長崎地方のお祭りや結婚式、仏事の際にも出されるようです。お葬式、法事などの際も出てくるのは丸ぼうろ。佐賀出身の人にとっては、冠婚葬祭含む生活の必需品といっても過言ではないくらい、身近な丸ぼうろ…。各お店には100~150個入りなど贈答用の箱入り丸ぼうろが用意されています。
なぜ、冠婚葬祭に丸ぼうろなのか…?ハッキリとした答えはわかりませんが、理由の一つに、"焼き菓子"であることではないでしょうか。昔から「日持ちが良い」という理由で、焼き菓子は進物用に重宝されてきました。対してお饅頭や大福、おはぎ等蒸したお菓子を売る店は「饅頭屋」と呼ばれ、丸ぼうろ、カステラなどの釜を使って焼き菓子を売る店は「和菓子屋」と言われてきました。当時"釜を使っている菓子を作る和菓子屋"の方が"自家用で蒸すだけの饅頭屋"よりも格が高く、進物、冠婚葬祭に良く使われたようです。
何はともあれ、「生まれた時から丸ぼうろ」の佐賀人にとって、丸ぼうろは生活になくてはならない存在。その時、その場で、人のココロを和ませてくれる美味しく、優しい丸ぼうろ。素朴だけど、滋味深い、丸い美味しさを全国のみなさんもぜひ、お試しあれ!
