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“玄海”と“有明海”。ふたつの豊穣で母なる海が育てた命。
2005年07月01日
佐賀にはふたつの海があります。北部の“玄海”と、南部の“有明海”。すべての生命の発祥地であり、多くの命を育ててきた海。玄海のイカに、有明のムツゴロウ…。生きているものも、漁法も、それこそ調理法も違う、佐賀を織り成す性格のまったく違うふたつの海。美味であり、珍味。新鮮であり、伝統あり――。今回は、このふたつの海が育てた、“美味しい特産物”をご紹介します。
佐賀県北部の玄海、南部の有明海。荒々しい外海と穏やかな内海…この性格の違う2つの海が、さまざまな文化を育み、太古から佐賀の食卓を彩ってきました。暑~い夏が、すぐそこまでやってきています。7月の特集はそんな、真夏にピッタリの“美味しい海のもの”。たっぷり、新鮮な海の幸を満喫してください!!
玄海・呼子のイカは年中美味しい!!
玄海の水産業の歴史は古く、江戸時代の唐津藩では水産業は一大産業でした。それは今でも残っている『肥前国(ひぜんのくに)産物図考』という絵巻物があり、さまざまな産業の図が描かれていますが、その中でも、一番多く描かれていたものは漁労風俗でした。当時は捕鯨が大変盛んで、定置網によるまぐろ漁や、イルカの追い込み漁…など、網をつかった大がかりな漁が行われていました。大人数で、組織を組み、魚を追い込んでつかまえる!積極的な漁法は玄海の特徴で、海の性質と一緒で荒々しさを感じますね。
現在では、玄海・呼子のイカがなんといっても有名です!今年も7月2日(土)には呼子町では、イカ祭りが行われます。さて、このイカも種類はさまざまで、世界でとれるイカは全部で約500種類といわれています。その中でも呼子の「イカの活き作り」に使われているものは、おもに3種類。しかも、年中美味しいという特徴のあるイカばかりですよ!
●ケンサキイカ
年間を通じて、もっとも多く捕れるイカで、甘味が強いのが特徴。呼子の家庭では卵をかまぼこにして食べたりなどもしている。活き作りのほかにも、寿司のネタなどいろいろなバリエーションに使われている
●ヤリイカ
よく聞く名前のイカだが、シーズンは12月~3月の冬場。身がキュッとしまった冬場の活き作りももちろん美味だが、呼子の家庭ではメスのイカ(メイカ)の煮付けをいただくのが、冬の定番メニューとなっているそう
●アオリイカ
春先から夏にかけて捕れる、大型で丸い形のイカで身が厚い。ケンサキイカと同じく甘味が強いのが特徴
●コウイカ
体の中に石灰質の“甲”を持っているイカで、春先から6月までがピーク。身は柔らかく厚いが、形が丸く太いため、活き作りにはあまり使われない
■豆知識
イカは子持ちの時期が一番栄養をたくわえているので、甘さがもっとも強く出ます。以上のように、イカによって産卵時期のピークが違うため、呼子では年間を通じて美味しい活き作りがいただけるのですね! また、イカの活き作りは「ヤリイカ」だろう、と一般的には知られがちですが、それは呼び名の違いのことで、だいたいが「ケンサキイカ」が使われているのです。冬がピークのヤリイカとケンサキイカは姿形がほとんど同じなので、そう言われるようになったのでしょうね。
伝統の有明海の幸は、お酒のつまみにピッタリ!!
有明海といえば、干潟。最大で干満の差が約6mにもなるという有明海が育んできたのは、今では“郷土料理”と呼ばれる伝統の幸ばかり。ムツゴロウやクチゾコ、アゲマキ、ワラスボなど、とにかく変わった名前で、形も珍しい海の幸ばかり。10月ごろからのノリ網漁のシーズンには、干潟一面にノリが網に美しく張られ、秋の風物詩ともなっています。「がたリンピック」など干潟を体験するイベントも最近は増えてきましたね。この有明海の干潟は国内の干潟面積の約42%を占め、日本一の面積を誇っています。有明海の干潟は約1万年前の縄文時代にさかのぼるほど古いのですが、その有明海に生息する、ムツゴロウなどの特有な生物たちは、約30数種類といわれています。干潟はやがて、陸化にともない佐賀平野へ発展していきます。江戸時代の干拓事業で干潟に綿の木を植えたことから、かの鍋島段通が生まれたという歴史もあるんですよ。
江戸時代には、有明海での漁労の様子を示した『有明海漁業実況図』という絵巻物が残っていますが、玄海に比べて、とても単純で素朴な漁法が描かれています。独りでじーっと潮の流れを待って捕る、生物の性質を研究して作った特有の漁労具を使ってコツコツ捕る…など、とてもシンプル。
ムツゴロウたちは、昭和初期頃までは有明海周辺では、家庭料理として食卓に並んでいましたが、現在では郷土料理屋さんでいただくことがほとんど。でも、漬物や干物などの加工品やノリなどは、手軽に楽しめるので、毎日の晩酌の肴にされている方も多いのでは…?
●ムツゴロウの蒲焼…素焼きまたは醤油のタレで焼き上げる定番料理。うなぎの蒲焼のように背は開かず、口から竹クシを刺す
●クチゾコの煮付け…舌ビラメの一種だが、味は意外に淡白で身が締まっているのが特徴
●ワラスボ…長いうなぎのような変った形の魚「甚吉(じんきち)」を干物にしたもの。唐揚にするとパリパリとした食感。ビールのつまみとしてよく知られている
●ガンツケ…「潮まねき」という小さな蟹をつぶし、唐辛子を加えた珍味で、日本酒のつまみにピッタリ
●ウミタケ…大きな水管を持つ貝。水管を細切りにして酢味噌和えでいただく
夏といえば、海の幸。“美味しい佐賀の海のもの”、ぜひ「さがファン」でもお楽しみください!
投稿者 さがファン : 2005年07月01日 06:48
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